私の仕事は編集者。役割はプロジェクトによってそれぞれですが、共通している使命が、届けようとしているコンテンツをできるだけ伝わりやすく、わかりやすくなるよう心を砕くことです。
本の場合だと、著者となる人が伝えたい内容をじっくり聞いて内容を整理し、伝わりやすい構成を考えるのが、まず最初の仕事。エッセイストや作家、各界の専門家の方の連載担当をするときは、その方の活躍分野やそのメディアにおいて発信したい内容をしっかり考慮したうえで、一緒に毎回のテーマを考え、1本1本の記事を作っていきます。原稿が上がってきたら、その人の文章の個性を消さないように留意しながら、きちんと伝わるように細部を調整し、そのうえで「こんな方向に広げてみたらどうですか?」とか「ここを深めてみるのはどうでしょう?」などのアドバイスをします。これまでにおそらく数百人単位の方々の書いた文章と、そういう深いおつき合いをしてきました。
自分がまとめた文章を、校正のプロの方から指摘をもらって直すという作業も散々やってきました。だから、客観的な判断が絶対に必要だということも身にしみてわかっています。多くの人に読まれる本や記事を作るためには、何段階ものチェック作業が必要だし、そこに時間や手間やお金をかけているかどうかが、きちんとした出版物や発信メディアと、そうではないものの違いだと思うのです。
一方、今はウェブで気軽にどんどん自分発信ができる時代。今言ったような、出版物やきちんとしたウェブ記事に必須のチェック作業が、すべての文章に必要だとはもちろん思いません。でも最近よく自分のところに依頼される案件を見ていると、こういうチェックの必要性はみんな感じていて、必要とされるシーンも多くなってきているんだな、と思います。
かといって、毎回誰かにチェックを依頼するのは敷居が高いのかもしれない。では自分に何ができるだろうな?と考えていて思い浮かんだのが、「チェックシートがあったらどうだろう?」ということ。
文章の伝わりやすさを左右する3本柱は内容、構成、表現ですが、伝える相手や目的によってもその比重が変わってきます。その3つに関するチェック項目をクリアしていく形で、自分の書いた文章をブラッシュアップできるツールを作りました。もちろん何度も繰り返し活用できるので、応援する担当編集者がいつもそばに控えているイメージで使ってもらえるといいのではと思います。
こちらのページに詳細がありますので、よかったら見てみてくださいね。
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